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技術開発

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ツイン冷却システム

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ツイン冷却システム

開発のコンセプト

ツイン冷却システムは20年以上前に大容量かつ省エネで、さらに食品の鮮度を維持することをコンセプトに開発が始まりました。
冷蔵庫で保存する食品の鮮度を維持するには、2℃以下の状態を±0.5℃以内で保つことと、70%以上の湿度を確保することが必要でした。
そのため、異なる温度帯として冷凍室(マイナス温度帯)と冷蔵室(プラス温度帯)を分け、独立して冷却するシステムを構築して、個別に制御することにしました。

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「ガルバニック腐食」の解決に向けて

冷蔵用冷却器はプラス温度とマイナス温度、両方の状態になるため、パイプ接続部が破裂する可能性があり、圧力に強い銅パイプとアルミフィンを組み合わせて採用する必要がありましたが、「ガルバニック腐食」がさらなる課題となりました。
ガルバニック腐食とは、異なる金属が接触した状態で、水などの電気が流れやすい環境下におくと、イオン化傾向の大きい金属の腐食速度が増大する現象です。

この「ガルバニック腐食」を回避するために冷却器に直接水が付かないようコーティングを施そうと考え、開発課題としてガルバニック腐食に耐えられる最適なコーティング条件を見出すこととしました。
そこで、実際に使用していた冷蔵庫の冷却器に付いた霜を採取、成分を調査し、その中に含まれる腐食促進の成分量から腐食の進行を推測しました。この結果から、銅パイプとアルミフィンを組み合わせたパイプの接続部には、腐食に耐えることができる最適な条件のコーティングを施しています。

基礎開発にも多くの時間を費やし、多くのメンバーとともに試行錯誤を繰り返したことで、納得のいく製品の開発ができたと考えています。

ツイン冷却システム これからの開発に向けて

今後、冷却器や送風ダクトなどの小型化や、冷却効率のさらなる向上を目指すとともに「冷凍室」と「チルド室」の性能アップに力を入れていきたいと考えています。「霜の付着を防ぐために温度や冷気をどう調整するか」「チルド室の鮮度を長持ちさせるためには、どのように改良を加えるか」など課題は大きいですが、やりがいのある取り組みだと考えています。

冷凍室の霜着き抑制の性能向上、チルド室の性能向上で、
さらに食品の鮮度を長持ちさせる。

ミストチャージユニット

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ミストチャージユニット

野菜室の湿度を上げるために

開発当時「野菜室の密閉性を高める」ことを重点に開発を進めました。密閉することで、野菜室の湿度を高くして野菜の鮮度を維持することはできますが、あまり高くなりすぎると結露が発生し、野菜を腐らせる原因にもなることがわかりました。さまざまな実験と試験を行ない、結果、水蒸気だけを通す現在の仕組み「ミストチャージユニット」へとたどり着きました。
この水蒸気だけを通す仕組みは、風雨による体温低下を防ぎ、発汗による蒸れは放出する特性を持つ登山用ウェアからヒントを得ています。高機能衣料に使用されている多孔質シートを活用したことで、野菜に潤いを与える水蒸気だけを通し、乾燥の一因となる冷気が野菜に直接当たることを抑えてくれます。さらに、湿度過多の環境下では、野菜室の外へ水蒸気を放出して、結露による野菜の水腐れを防ぐこともできました。

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水蒸気のコントロール

送り込む水蒸気の量によっては、結露が発生して湿度を十分に保てないなど、多くの課題があがりました。そこで、多孔質シートの水蒸気透過量と隙間からの水蒸気透過量を実際の貯蔵室の温湿度条件で算出し、シートの必要面積を計算しました。さらに、実際の試験で得た貯蔵室内の湿度や水分量から野菜室の湿度を95%以上に保てる最適なサイズを導き出すことができました。

ミストチャージユニット これからの開発に向けて

ミストチャージユニットは、さまざまな触媒を追加することができるため、機能強化の可能性は広範囲にわたると考えています。そのなかでも、野菜の臭いを吸収する「脱臭」の効果を持たせることを目指しています。これにより、野菜室から発生する臭いはもちろん、冷蔵室から流れてくる臭いも吸収することができるため、他の食材の臭いが野菜に移ることも抑制できるようになります。

新しい触媒を利用することで、「臭い」カットの機能を開発します。

氷結晶チルド

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氷結晶チルド

数多くの課題を乗り越えて

氷結晶チルドは、食材全体は凍らせず、食材が凍り始めるギリギリの温度で表面に氷の膜を作り、酸化を抑えて長期間おいしく保存する機能です。
チルド室の冷え具合、肉や魚などの食材の種類、冷蔵室用の冷却器の状態など、様々な状態における機能の検証を重ねました。冷却しすぎて凍結してしまったり、逆に冷却が弱く氷の膜が張れなかったりと数多くの課題に直面しました。これらの課題を一つ一つクリアにすることで、氷結晶チルドを確立しました。

氷結晶チルド これからの開発に向けて

今後は「冷蔵室以上の日持ちで、中まで冷凍させない温度帯」という、チルドの特長をさらに活かした制御や形状を検討していきます。また、食品の保存期間を延ばすことはもちろん、より便利にご利用いただける機能の開発を進めたいと考えています。

より便利に、より使い勝手のよい機能の開発を進めます。

W-UV除菌

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W-UV除菌※1

野菜室への搭載に向けて

開発初期はチルド室にUV-LEDを搭載し、除菌※2を行っていました。その除菌機能がお客様に好評であったため、次に野菜室への展開を検討しましたが、野菜室はUV-LEDを搭載できるような構造をしておらず、UV-LEDを設置する最適な場所を探すところから始めました。そして検討の結果、冷蔵庫奥側に設置し、奥側から手前に照射する方法を採用。UV-LEDは、目に入らないように扉を開けているときは消灯させる設計でしたが、安全な状態でUV照射を可視化できないかと考え、UV-LEDのほかに照明用の青いLEDを追加搭載しました。これによりUV照射の可視化だけではなく、野菜室の明るさもアップして、室内が明るく見やすくすることができました。

除菌・清潔に関する仕組み これからの開発に向けて

コロナ禍を経てお客様の除菌や清潔に対する関心がますます高まりました。今後も食品の保存を担う立場から、さらに高性能・高効率な除菌、清潔に関する仕組みを開発していきます。

さらに高性能な除菌、清潔に関する仕組みを開発して、
食品の鮮度、おいしさをサポートします。

※1除菌効果のあるUVを照射するLEDを2灯搭載。

※2【試験依頼先】(一財)日本食品分析センター、【試験方法】冷蔵室上段・チルドルーム上段・野菜室上段に滴下した菌液を72時間後に回収し測定、【対象場所】冷蔵室上段・チルドルーム上段・野菜室上段、【試験結果】99%以上の除菌効果を確認。試験結果は実使用空間の実証結果ではありません。


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