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技術開発

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プラズマ空清

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プラズマ空清

メンテナンスフリーの実現

「プラズマ空清」の開発にあたり、課題となったのが「お客様ご自身によるメンテナンス中のトラブル」でした。初期の「プラズマ空清」は、現在のように熱交換器に集塵する方式ではなく、空清ユニットそのものに集塵する方式だったため、定期的なメンテナンスが必要でした。集塵部には細い金属の線を使用しており、メンテナンス時にその線を誤って切ってしまうケースが多く発生していたのです。

そのため、「お客様が直接触れにくく、かつ壊れにくいものにする」「空清ユニットはメンテナンスが不要な仕組みにする」といった改良を加えることで、これを改善できると考えました。

このような着想から、汚れを空清ユニットではなく熱交換器に吸着させる仕組みに変更することで、断線のリスクを回避するとともにメンテナンスフリーを実現し、お客様のメンテナンス中のトラブルを大幅に減らしました。開発を進めるうえで特に苦労した点がプラズマ放電を利用した集塵システムです。空清ユニットにかける電圧や空清ユニットと熱交換器の距離など、条件を細かく変更して実験を行い、汚れがしっかりとれる最適な設定を追求しました。

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プラズマ放電の出力調整

汚れに静電気を帯電させるプラズマ放電による集塵システムは、出力が大きすぎると汚れを集めすぎてエアコン周囲の壁を汚してしまい、出力が少ないと汚れの集塵が不十分で思い描いた結果を得ることができませんでした。空気中の汚れ物質だけを効率よく集塵し、お手入れも簡単な仕組みを実現するために、さまざまな調整を重ねて現在の仕様に辿り着くことができました。

プラズマ空清イメージ図プラズマ空清イメージ図

■プラズマ空清の仕組み
空気中の汚れをプラズマ空清ユニットで帯電。帯電した汚れは熱交換器に吸着させる。

プラズマ空清 これからの開発に向けて

昨今の清潔意識の高まりを受けて、エアコンにおいても「空気清浄」の機能は高い関心を得ています。各社が空気清浄の機能に力を入れる中、当社ではお客様により快適に過ごしていただけるように、最適な環境を自動で作り出す機能や、手間なく簡単に快適な空間を創り出す機能の開発を目標としています。これからは、エアコンが、「部屋の空気を自動できれいにしてくれる」のが当たり前になるのかもしれません。

少し先の未来に向けて、研究・開発を進めていきたいと考えています。

レーダー

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レーダー

家庭用エアコンへ高性能レーダーを搭載

従来の製品に搭載されていたセンサーは、「スピード」と「精度」に難点がありました。
従来は主に赤外線センサーと呼ばれる、人から放出される赤外線を検知して判定するセンサーを使っており、実際に人の方向に風をあてるまでには分単位の時間がかかっていました。また、おおよその位置しか把握できなかったため、エアコンの風を正確にコントロールするためには、より高精度かつ高速な人検知を可能とする技術が必要でした。

レーダーは電波(マイクロ波)を放射して、物体にあたって返ってくるまでの時間や周波数の変化によって、エアコンからの距離や動きを計算します。レーダーの電波は常に放射しているので、一般的な室内であれば数センチ~数十センチ程度の誤差ですぐに人を探知できます。人が動き続けていてもすばやく追いかけるように風をあてることができ、また、どこに移動しても風をあてないことが可能となりました。
レーダーの電波は樹脂を透過するのでセンサー自体をエアコンの内部に隠すことができるため、センサーが前面に露出した従来のデザインに比べ、外観もすっきりさせることができました。

レーダー これからの開発に向けて

今後はレーダーを活用して、今以上に快適に過ごしていただける使い方を提案できないかと考えています。そのひとつが「節電冷房」です。「節電冷房」とは、無駄に室内温度を下げることなく、適度な室内温度になるよう補正を行いながら、レーダーで探知した人に風を送る機能です。体感上は涼しく感じながらも、消費電力を抑えられるのが特長です。このようなレーダーを活用した新機能は、他にもまだまだあると考えています。

レーダーの新しい活用方法の研究・開発で、より良い環境づくりを目指します。

無風感空調

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無風感空調

日本の気候や住環境に合わせた開発

無風感空調は、エアコンから出る風を直接人にあてず快適空間を作り出す機能で、中国を代表する家電メーカーMideaとはじめて協業開発した技術です。 

開発にあたり、日本と中国の気候や環境、感覚などの違いによって、お互いがイメージする「あるべき姿」にズレがあることに気付きました。そこで、まずは日本国内で多くのモニター協力のもと、実証実験を繰り返し、日本の住環境における日本人による体験レポートを集めることで、お互いの理解をすり合わせながら最適な制御の調整を行いました。また、Mideaの持つ技術を日本市場に取り入れるために試作、改良を繰り返し、双方で納得のいく製品を開発することができました。

無風感空調 これからの開発に向けて

エアコンの風が苦手だという方は多く、無風感空調はお客様の快適性を向上させる機能として重要な技術と考えています。一方でお客様のニーズも多様化しており、「もう少し強めに冷やしながら無風感空調を使いたい」「特定の人にだけ無風感にしたい」などさまざまなご要望をいただいています。こうした声にお応えするために、例えば2023年発売のDRシリーズではルーバーを分割することで無風感の方向を指定できる改良を図りました。今後もお客様の好みや利用シーンに応じて最適な使い方ができる無風感空調を追求し、さらなる快適性向上を目指してまいります。

Mideaの新技術を活用しつつ、より良い住環境作りを目指して開発を進めます。
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