TECHNOLOGY
DEVELOPMENT
技術開発
掃除機 開発者メッセージ
総合的な技術力が問われる
掃除機開発
お客様の使い勝手を追求し、技術を磨き上げる
1931年の国産第一号の電気掃除機を皮切りに、世界初の本体回転式クリーナー、世界初の排気レスクリーナー、世界初のフィルター自動クリーニング機能付きクリーナーなど、画期的な製品を生み出し、掃除機開発をリードしてきました。お客様の暮らしの中で選ばれるために、日本の住まいに合った性能と使いやすさを追い求めてきました。
近年は、ニーズに対応しコードレスクリーナーに比重をおいて開発に取り組んでいます。小型軽量化とパワフルな吸引力を両立させること。すみずみまでゴミを取り切ること。バッテリーを長持ちさせること。発熱や騒音を抑えること。環境負荷を低減すること。掃除機に求められる要件は極めてハイレベルです。さまざまな技術を磨き上げ、高度に組み上げることにより究極の使い勝手の良さを目指し、チーム一丸となって開発に取り組んでいます。
掃除機開発のおもしろさや苦労
当社の掃除機は使い勝手をずっと追求してきました。使ってもらって初めて良さを実感してもらえるので、購入検討時に店頭や販促物でいかに良さを伝えるか、という難しさがあります。
本当に小さな小さな工夫の積み重ねですが、二律背反する吸引力の持続とお手入れのしやすさを、どちらも目標達成できた時は達成感がありますね。使い勝手が間違いなく向上した瞬間ですから。これからもお客様目線を最優先に開発を続けていきたいです。
モーター一筋で開発に取り組んできました。調理家電やシェーバーなどさまざまな用途の機器モーターを作ってきましたが、なかでも掃除機のモーターは特殊だと感じています。たいていの機器ではモーターはトルク(回転力)を発揮させて何かを回せばいいのですが、掃除機においてはファンを高速回転させて真空を作り出す必要があります。電動部のモーターと送風部のファンが一体となってはじめて吸引力のある空気の流れを生み出します。見えない空気というモノを動かすモーターを作るのは難しい。でも、だからこそおもしろいのです。
こんなにブラシのことを考えるとは思いもよりませんでした。ブラシの材質や形状、本数、向き、水洗い可能にするための配慮……。ゴミを取り切るというシンプルな目的に向かって、ブラシに施せる工夫は無数にあります。試行錯誤を重ねてもうまくいかず、社内プレゼンの直前まで粘ってアイデアを捻り出したこともあります。徹底的に突き詰めることで、苦労した分だけ得られる達成感も大きいと感じています。
品質向上のために必要なことは仮説を立て、分析、検証を地道に繰り返すことです。自分の予測が検証結果とピタリと合った時が、最もテンションが上がります。製品をさらに良いものにできると、一歩前進した瞬間だからです。
掃除機では永遠に
100点は取れない
だからおもしろい
「そうそう、こんなのがほしかった」
実際に当社の掃除機を使ってくださったお客様からそんな一言が聞かれた時、私たちの努力が結実したとうれしくなります。掃除機の開発では永遠に100点を取ることはできません。部屋のどこかに設置されて安定した環境で使用される他の家電とは違い、掃除機は老若男女あらゆる世代のお客様によって、さまざまな場所に持ち運ばれて使用されます。厳しい条件やタフな環境でもポテンシャルを発揮し、暮らしに役立つアイテムとなる必要があるのです。開発のハードルは非常に高い。しかし、地道な努力や何気ないアイデアが生かされる製品であるという側面もあります。掃除機は開発者の腕の見せ所でもあるのです。