コードレスクリーナーVC-SL130DS

井崎 晃宏

VC-SL130DSは掃除が終わったあとに、充電とゴミの収集を自動で行うダストステーションを搭載したコードレスクリーナーです。気づいたときに短時間で効率的に掃除を済ます昨今の傾向を背景に、リビングに置いてサッと掃除ができる掃除機を目指して開発しました。

リビングに置いた姿

充電台に戻した状態、つまり使っていないOffの姿を重視してデザインしました。掃除機の原型はほうきやモップといったスティックの形態です。その掃除道具としての本来の佇まいである、一本の棒のようなスタイルを目指しました。清掃機能を満たすうえ、構造上発生してしまう凹凸は、スムーズに繋ぐことで機械らしさを緩和。ネジ穴や部品の合わせ位置も背面に集約し収納時に目立ちにくくさせるなど、極限まですっきり見せる工夫をしました。

充電台に戻した状態の姿は、いい意味で掃除機を思わせない、周囲のインテリアとの調和を意図しています。

WORKS コードレスクリーナー - インタビュー風景

視覚的にスリムに見せる工夫

ダストステーションの採用により、集塵エリアの大部分を本体からダストステーションへ移すことができます。この“機能の外付け”で従来モデルより本体を大幅にスリム化することができました。さらにデザイン面でもよりスリムに見せる工夫をしています。本体の部品構成を、グリップとサイドカバーに2分割をすることで、グリップ部分からヘッドまでストレートのラインを生み、スリムな一本の棒に見えるようにしました。ダストステーションについても、単なるボックスでなく背面から正面にかけて絞る形状にデザインし、正面をコンパクトに見せています。

また、ヘッドも薄くワイドな印象になるよう、構造をなだらかに繋ぐ形状にすることで、凹凸感を抑えた陰影が生まれるよう工夫をしました。

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使いやすさの追求

掃除機を構成する部品の中で重量があるバッテリーは、配置位置によって使用時の腕への負担が大きく変わります。本モデルは、バッテリーをハンドルに内包させるレイアウトを採用することで、手元が軽く感じられる最適な重量バランスとなりました。

一方で、グリップサイズが太くなるデメリットもあり、その課題への対策が必要となりました。グリップの角度については、ストレートなのか、角度をつけるのか、傾けるなら何度がいいのか、試作とヒアリングを重ね最終的に22.5°に決定しました。さらに様々な掃除シーンを考慮し、グリップ裏の握り手部分に大小差のある凸を設けました。この凸形状と自走ヘッド機能の組み合わせで、グリップを握り込まず手を添えて軽い力でハンドリングする新たな操作性を確立することができました。

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インテリアへの調和を目指し

色は、インテリアトレンドをリサーチしてシフォンベージュとアッシュブラックを採用しました。この2色は、ただの単色でなくわずかな色味を加えたニュアンスカラーと、質感はマットな仕上げで、品の良さとインテリアに調和する見た目を狙っています。

また、グリップ部分からヘッドまでのストレートライン部分は、他のパーツと若干のコントラスト差をつけたツートンカラーの配色にすることで、視覚的な面でもスリムさをより際立たせています。生活空間に置いても違和感のない、インテリアの一部になる掃除機を目指しました。

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