ドラム式洗濯乾燥機TW-127XP3

中台 龍太・井崎 晃宏

近年のインテリアスタイルに調和するミニマルなデザイン志向のドラム式洗濯乾燥機のハイエンドモデルです。スマートさとラグジュアリー感を併せ持つ透明フラット窓とホワイトシルバーやシャインボルドーブラウン色のドア、使い勝手を向上させたカラー液晶のタッチパネルが特徴で、細部までこだわってデザインしています。

ミニマルなフロントデザイン

ドラム式洗濯乾燥機の象徴は正面の丸い窓部分です。そこをいかに美しくかつ特徴あるものに見せるかにこだわってデザインしました。
このパーツは窓でありつつ、ドアなので開けるための取っ手が必要です。従来は手を掛ける部分だと見た目ではっきり分かるような切り欠きになっていました。しかし、ユーザー調査から、洗濯機を設置する部屋に、よりなじませたいというニーズが高まっていることが分かりました。

そのため、取っ手の部分がなるべく目立たないように工夫しています。また、洗剤を入れるケースも正面から天面に移動させ、フロントから見える線を極力減らし、よりシンプルで要素の少ないデザインに仕上げました。

WORKS ドラム式洗濯乾燥機 - インタビュー風景

ラグジュアリー感を演出するドアの質感

フロントビューからのスタイリングはシンプルですっきりさせたドアですが、ハイエンドモデルですので、単にフラットな丸いドアではなく、表面のメタリック感が映えるように傾斜を付けることで質感を出したいと考えました。

従来、この窓は中が見えにくいようにスモーク材を使用していたのですが、洗濯機本体に対してダークで重たい存在となり、かなり目立つので、透明素材に変更して中が見たいというユーザーニーズと軽やかですっきりとしたデザインを両立した窓にしました。

そして、すっきりした透明窓に対して極細のミラーのラインを全周に入れています。ドアを開閉する時に一瞬キラっと見える金属感をアクセントとして加えることでミニマルな全体像を崩さずに質感を高め、ラグジュアリー感を演出しています。また、ホワイト色の丸いドアの色合いは金属感が強すぎると暗くなってしまいます。試行錯誤を重ね、パールを混ぜて明るさを出すことで、より優しい、より明るいシルバーに仕上げ高質感と明るさを出しています。

WORKS ドラム式洗濯乾燥機 - インタビュー風景

 

直感的に分かりやすい操作画面を追求

操作部分はシートのボタンではなく、7.8インチ横ワイドのカラー液晶タッチパネルを採用しています。ミニマルなエクステリアのデザインに合った、分かりやすく操作しやすいインターフェイスを目指してデザインしました。

洗濯機は衣類を洗ったり、乾燥させたりする家電ですが、今どの作業が進行しているのか外観からは分かりづらい製品でした。そこで、洗い、すすぎ、脱水、乾燥の各ステップに応じて操作パネルの背景色を変えることで、家事などをしながら遠目からでも状態を確認しやすく、安心感を与えられるようにしています。

WORKS ドラム式洗濯乾燥機 - インタビュー風景

 

洗濯の詳細な設定もできる製品のため、画面内の階層を分けて操作時に必要な情報だけを表示するようにしています。シンプルな機能で十分な方や普段使いなどのシーンでは、浅い階層で素早く直感的に操作でき、洗濯物の状態に合わせ、こだわった設定を行いたいシーンでは、深い階層で細かく調整できます。

お客様に操作の難しい製品だと感じさせないよう、アイコンのサイズやレイアウトもさまざまなバリエーションを作成し、比較・検討を重ね、すっきり見えるバランスへ調整しました。また、操作パネルのデザインはエクステリアのデザインと違い、ミニマルさを追求し過ぎると味気のない冷たい印象になってしまいます。お客様が見て・触れるものなので、モード選択時にちょっとしたアニメーションを採り入れるなど、親しみやすさも意識してデザインをしました。

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