冷凍冷蔵庫、冷凍庫GR-W500GTM/W450GTM
/GF-W14HS
大野 雅史・易 佳
GR-W500GTM/W45GTMは、現在のユーザーニーズに合わせ、落ち着きのあるノイズレスな外観を追求した点が大きな特徴の片開き冷蔵庫です。一方、GF-W14HSは近年需要が高まっており、冷蔵庫に加えて設置する2台目である点を考慮しキッチン以外の場所に置いてもフィットするデザインを意識して開発しました。
ドア鋼板の質感を1から見直し(GR-W500GTM/W450GTM)
当社ではトレンドリサーチと共に、外観の質感を開発するチームが活動しており、先行開発が進んでいます。近年、インテリア全体が落ち着いた空間を望んでいてマットな質感や凹凸の少ない形状が主流となってきています。冷蔵庫は大きな製品のため、インテリアへの影響が大きく、キッチンに置いたときの同調性にとても気を遣いました。
そのために、ドア鋼板の質感を1から見直しました。今回は今までの開発に比べてより幅広くさまざまな仕上げ方法を検討しました。マットな質感を鋼板で出すには製造面での難しさがあります。通常、光沢感を消すため消光粉を混ぜて調整しますが、納得のいく仕上がりにするために何度も配合の調整を繰り返し、見た目の風合いと触った質感を追求していきました。
極限まで全体をフラット化(GR-W500GTM/W450GTM)
冷蔵庫周りにあるキッチン棚やキャビネットはフラットで直線基調の物が多いので、冷蔵庫も限りなくフラットにすることで、空間に調和しやすくしています。特に外見で一番こだわったのがタッチオープンボタンのフレームです。ボタンは身長の高さに関わらず、使いやすいように高さを長くした縦型にしています。面材は鋼板なので、ボタンの形に沿って曲げる工程が必要ですが、加工技術の点で曲げる角度に限界があります。
使いやすさと見た目、製造上の課題の全てを考えながら、ボタンのサイズの調整を繰り返しました。最終的にボタン部分のアールを7mmまで最小化し、面材とボタンの隙間を極限まで小さく、フラットにできました。よりノイズレスに見える様に、ハンドルやヒンジも正面からは見えないよう配慮し、樹脂フレームも薄くしました。
庫内をより広く使える工夫(GR-W500GTM/W450GTM)
GTMシリーズは当社独自の高容積技術により本体幅60cmのまま大容量化・薄型化を実現した冷蔵庫で、随所で庫内をより広く使える工夫をしています。例えば、天井照明の凹凸を無くし、フラットにすることで、より高さのある物を入れられるようになっています。また、棚板は6段階に調節できる可変棚となり棚板受けがなく、収納物を壁の端まで置けるようになっています。ガラス板も4mmから3mmに薄型化しています。
キッチン以外の場所にもフィット(GF-W14HS)
GF-W14HSのデザイン特長は、キッチン以外の場所に置かれることを想定している点です。キッチンに冷蔵庫を置いている場合、2台目の冷凍庫は廊下やリビングスペースに置くことも想定されます。さまざまな場所に置いてもなじむ形状、色味やツヤを抑えています。色はニュートラルなダークシルバー色を選択しました。また、背面を壁にぴったり付けられる点が技術面での特長で、置く場所を選ばずに設置ができます。
見た目と機能性を両立した天面形状
(GF-W14HS)
冷凍庫は高さが低く、物を置かない場合には天面がはっきり見えます。従来のシボ加工されたフラットな天面は、汚れがたまりやすいことが課題でしたが、それを改善するためにスリット模様を採用しました。特にスリットの断面形状にこだわっていて、すり鉢状の断面にすることでゴミをかき出しやすくしています。このスリットには滑り止め効果もあり、見た目だけではなく機能性も併せ持っています。
また、冷凍庫の天面にレンジ等を置くことも想定しています。本体と扉を独立したデザインに捉えるのではなく、へりをつなげることでひとつながりに見せています。天面に物が乗せやすい形状だと一目で分かります。縁の形状を極限まで細くすることで段差をなくし、より大きなものが置けるようにデザインしました。
日常の使い勝手を追求したデザイン(GF-W14HS)
ハンドルの形状も見直しを図りました。ゴミをかき出しやすいよう、傾斜面のあるハンドル形状にしています。手掛け部分の体積が減ったことで断熱材の量がアップし、省エネ性にもつながりました。
庫内の自動急冷コーナーにはあえて蓋を付けずオープンスペースにしています。扉を開けて直ぐに収納することができます。ケース部は収容物が分かりやすいように正面を全て透明にしています。手掛けも一体になっておりノイズレスを追求しました。細部にも配慮を行い、ユーザーが日々ストレスなく使用できる製品を目指しています。