冷凍冷蔵庫GR-U600FZS/GR-U510FZS

大野 雅史

従来のラインアップになかったフラッグシップモデルとして新たに開発した冷蔵庫です。従来品にはない高級感を感じさせる質感の追求が今回のモデルのポイントとなりました。冷蔵庫は他のプロダクトと違ってとにかく大きくて存在感があります。キッチンに置いたときの、周囲インテリアとの同調性にとても気を遣い開発しました。

インテリアと同調するマットなフロスト調ガラス

フラッグシップにふさわしい外観にするため、パーツとパーツの合わせの線を1本でもなくしたいというのが今回のモデルの一つのチャレンジでした。中でも特に大きなポイントと考えたのがもっとも面積が大きく見た目を左右する正面の面材です。キッチンのインテリアが光沢からマットな質感に変化してきていて、そこにうまく合う質感としてさまざまな材料を検討した結果、当社として初めてフロスト調ガラスを採用しました。

WORKS 冷凍冷蔵庫 - インタビュー風景

無駄のないデザインを実現したフレームレス化

そして従来は面材の角をフレームで覆ってしまっていたものをフレームレスの扉構造とし、真正面から見たときの線を省くことで、シンプルで無駄のない綺麗な形状を実現しました。

さらに、ガラスの端面から綺麗なガラスの屈折の様子や風合いが見えてより1枚の綺麗な板を表現することが出来ました。加えてフロスト調ガラスは表面が固く、指紋がつきにくく手入れしやすい点も特徴です。冷蔵庫は毎日使うものでしかも食品を扱う家電なので気にされるお客様が多く、見た目だけではないメリットをもたらしました。

このフロスト調ガラスとフレームレス化によって他社にはないオンリーワンの製品になりました。

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アールが一つもない水平垂直基調のデザイン

もう1つのポイントは水平垂直基調のデザインです。キッチンのシンクには引き出しがあって水平ラインが基調ですが、従来の家電は角が丸くなっていたり、設計の都合上でハンドルにアールがついていたりして水平基調とは相性が悪かったのです。

そこで直線基調にこだわり、真正面から見た時にアールが一つもない形状を実現しました。ここで問題となったのがハンドルです。ハンドルは扉に取っ手を付けるのではなく、扉を削って横から見て抜けているエグリ形状のハンドルとしました。単に扉を削ると断熱材の量が減ってしまうため、設計者と綿密な微調整を繰り返してようやく可能になったやり方です。もちろん、使いやすさも犠牲には出来ません。さまざまな身長の方が手を掛けやすく、かがむ量を少しでも減らすため、人間工学的に研究を行いながら何度も試作を繰り返し、一番力が加わりやすく引っ張り出しやすい最適な角度を導き出しました。

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毎日使うものだからこそ使いやすさを徹底

使いかけの野菜をラップなしでそのまま保管できる使い切り野菜BOXも製品特徴の1つです。全く新しい機能ですので、ただのタッパーではないという新登場感を意識して形状にこだわりました。極力大きな穴を目立たなくさせて、適切な印象となるよう穴が斜めになるルーバー形状を採用しています。毎日使うものなので開けやすさにこだわり、取っ手はどこからでも開けやすい、手がかかりやすい形状にしています。ザルがついていて、洗って切った濡れた野菜をそのまま入れられる操作性をもったデザインとしています。フタは白色で清潔感を出しつつ、ケースの方は透明ではなくスモーク素材にすることで高級感を出しています。細部にこだわって作り込んでいる点も着目してもらえたら嬉しいですね。

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DESIGNER担当デザイナー

大野 雅史

現在の主な担当は冷蔵庫のデザインです。家電の中でも特に大きな製品ですので、製品単体の意匠性だけでなくキッチンインテリアとのマッチングも考慮する必要があります。もともと好きだったインテリアショップ巡りがとても役立っていると感じます。前職では車のインテリアのCMFデザインを行っておりました。ホームインテリアとはまた違った要素があり、その経験を活かし比較できる点も自身の強みとなっています。日々の生活の上で様々なことに興味を持ち、常に情報アップデートを繰り返す。それが時代に合った提案に繋がると考えています。

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