単機能レンジER-S10A
小笠原 菜摘
ER-S10Aはオーブン機能を省略してあたため機能を基本とした単機能レンジです。一人暮らし向けの廉価で小型な商品が主流のこの製品ジャンルにおいて、他にはないプレミアムな単機能レンジという商品コンセプトで開発しました。
上質を体現するミニマルコンフォート
子育てが終わり夫婦二人暮らしになる、といったライフスタイルの変化に伴って調理内容も変わっています。そこで、オーブン機能はいらないけどデザインや性能は妥協したくないといったニーズに応える高性能で上質な単機能レンジを開発しました。プレミアムな単機能レンジとして、ミニマルコンフォートをデザインコンセプトに、インテリアと調和する佇まいと、分割線や華美な装飾は最小限に抑え統一感を重視したノイズレスを追求しました。必要な機能だけに絞り込み、上質というコンセプトをデザインで体現しています。
ノイズレススタイリングを形にしたフロント部
フロント部は、ドアと操作部が一体となったマット調のフレームデザインが特徴です。線を少なくまとめ上げ、限りなく統一した樹脂素材のフラットな面として見せています。
次に、ボディに対する比率を大きくしたロングハンドルを採用し、グレード感を高めています。ただ、主張し過ぎないように、上下に分割した2つのピースを組み合わせた構造としています。上部ピースは、メタリック塗装で金属プレート風に仕上げ存在感を引き立たせつつ、凹凸感を出すためガラスビーズを練り込んで、ブラスト調の風合いとザラっとした手触りの質感を実現しています。下部ピースは、マット調に仕上げることでハンドルの影となり、大きなロングハンドルでありながらも全体をスリムに見せています。
さらに、液晶パネルをハンドルで遮らないという使い勝手の点にも配慮しました。日本人の平均身長や視点位置と、立ち位置を計算し、コンマ数ミリ単位で微調整を繰り返してハンドル位置を決めています。
操作感を向上するデザイン
使用頻度のもっとも高いあたため操作は、直感的に操作できる円形のダイヤルを使ったワンタッチボタンを採用し、簡便さを追求しました。また、よく使われる600Wモードをデフォルト設定としており、ダイヤルを回してあたため時間を決定したらボタンを押してすぐにスタートできます。
その他の操作ボタンは一般的な単機能レンジで多く採用されているクリック感のないシートキーではなく、カチカチとしたクリック感のある物理キーにしました。さらに、ボタンの中に操作メニューを入れるのではなく、本体に直接表示したスリムキーを採用することで、煩雑さを抑えながらも操作面は向上させています。
トレンドリサーチを反映したカラーや質感
当社が推進する、先行的なトレンドカラー開発の候補から、少しベージュ味がかった、ニュートラル系のミルキーホワイトを新色で採用しています。ブラックについても従来より少し粗めの風合いを全体的に使用し、ワントーンで揃えながらも、ソフトな質感で柔和な雰囲気に落とし込みトレンド感を出しています。キッチン空間のインテリアに調和しつつ、単機能レンジのフラッグシップモデルとしての上質感を十分に堪能していただける製品に仕上げました。