東芝ライフスタイルの取り組み
製品環境技術

エネルギー効率と食品ロス問題に取り組む

冷蔵庫は24時間365日稼働し続けるため、家庭の中の消費電力量で大きな割合を占めています。
家庭でのエネルギー消費を抑えるためには、省エネ性能が高い冷蔵庫を選ぶことが大切です。
冷蔵庫の省エネ性能は、日々進化を続けています。

*ツイン冷却搭載機種と、当社試作機種(シングル冷却)の比較。
*このデータは特定冷蔵庫の年間消費電力量を示したものではなく、消費電力量を保証するものではありません。

東芝冷蔵庫の省エネ技術において、
一番のポイントは「ツイン冷却システム」です。
ツイン冷却の技術を採用している冷蔵庫と
採用していない(シングル冷却)冷蔵庫では、
消費電力量は5~10%も差があります。

ツイン冷却システム

「ツイン冷却システム」の技術は1998年の商品から採用し続けています。
ツイン冷却は、冷蔵室用、冷凍室用それぞれ専用の冷却器で生成された冷気を交互に送り込むことで最適な温度調整が可能な冷却方式です。
一方で、シングル冷却は、1つの冷却器で生成された冷気を冷蔵室、冷凍室それぞれに送り込み、別々に温度制御する方式です。
ツイン冷却のメリットは、大きく分けて2つあります。

①消費電力量が小さい

冷蔵室用の冷却器についた霜は、庫内ファンが部屋内の空気を循環させることでプラス温度まで上昇し自然に溶けるため、霜取りヒーターは不要です。
一方で、冷凍室用の冷却器は霜取りヒーターが必要ですが、シングル冷却方式に対し冷却器が小さくできるため、霜の付着量も少なく、シングル冷却方式のヒーター温度が約200〜300℃(消費電力が約180〜200W)なのに比べ、「ツイン冷却システム」ではわずか約80℃(約93W)と半分程度で済み、消費電力を削減できます。

②食品をおいしく長持ちさせる

冷蔵室用の冷却器に付いた霜を庫内ファンで溶かし、その水分を庫内に戻す「うるおい冷却」を行っています。その水分が冷蔵室と野菜室に運ばれることで、高湿度に保てるため、食品を乾燥させずにおいしく保存でき、食品ロスを削減できます。
冷蔵室用・冷凍室用の2つの冷却器が
庫内温度に応じて最適な温度で運転するから省エネ
日々たくさんの食品ロスが発生しており、その中でも、野菜の食品ロスが大きな割合を占めています。
鮮度が求められる野菜の保存には、ラップや新聞紙で包むなどの工夫が必要ですが、
そのような手間をかけずに野菜を最後までおいしく使い切る野菜室を目指して開発を行いました。

東芝冷蔵庫の一番の特長は、野菜が長持ちすること。 ミストチャージユニットで湿度を約95%以上に保ち、うるおいたっぷりの冷気を野菜室に1日20回以上送り込みながら、野菜劣化の原因となるエチレンガスを分解。摘みたてのようなみずみずしさが続きます。 野菜を約10日間新鮮に保てるため、まとめ買いをしてもおいしく食べきれます。

*運転状況や食品の種類、状態や量により、効果は異なります。当社調べ。

ミストチャージユニット

野菜の鮮度を保持するため、登山用ウェア等の高機能衣料と同じ働きをする多孔質フィルムシートを活用したユニットで、野菜を潤す水蒸気だけを通し、乾燥の一因となる冷気が野菜に直接当たることを抑えます。また、湿度過多の環境下では、野菜室の外へ水蒸気を放出し、結露による野菜の水腐れを防ぐ効果があります。

ミストチャージユニットの仕組み
ミストチャージユニット
野菜の保存に最適な湿度をキープ

W-UV除菌※1

除菌効果のある「UV-LED」を野菜室に搭載。庫内の除菌、野菜の表面についた菌の繁殖を抑制※2して、清潔な状態で保存することができます。
「UV-LED」から照射される紫外線による野菜の生理作用によって栄養素がアップします。食材を野菜室に入れるだけで、大切な栄養素もしっかり守られます。

使い切り野菜ボックス

使いかけの野菜を捨ててしまった経験があるお客様が多いなか、保存する手間を省くことができれば、食品ロスの削減につながると考え、使いかけの野菜をそのままボックスに入れておくだけで乾燥・水腐れを防ぎ、約10日間新鮮に保存できる「使い切り野菜ボックス」を開発しました。
食品が直接触れるバスケットは抗菌仕様※5になっているほか、蓋がガラスになっており、野菜室の「UV-LED」を透過し、野菜についた菌を抑制するため、安心して食品を保存することができます。

UV-LED照射により菌の繁殖を抑制し清潔
栄養素もおいしさも、しっかりキープ
野菜が長く使えて、食品ロスを低減
 

当社は、1930年に国産初の第一号機冷蔵庫を開発して以来、より環境に優しく、食品の鮮度を守れる冷蔵庫を目指し「お客様目線」での商品開発を続けてきました。毎年、さらなる省エネ化に向けて商品開発を続けており、常に「一番省エネな冷蔵庫」を目標としています。また、本体の省エネ性能の向上だけでなく、生物由来の資源を原料とした素材の使用を検討するなど、よりサステナブルな商品づくりを目指して取り組んでいます。

※1除菌効果のあるUVを照射するLEDを2灯搭載。

※2【試験依頼先】(一財)日本食品分析センター、【試験方法】冷蔵室上段・チルドルーム上段・野菜室上段に滴下した菌液を72時間後に回収し測定、【対象場所】冷蔵室上段・チルドルーム上段・野菜室上段、【試験結果】99%以上の除菌効果を確認。試験結果は実使用空間の実証結果ではありません。

※3【試験依頼先】(一財)日本食品分析センター、【試験方法】イチゴ(ラップなし)をGR-W600FZS「もっと潤う 摘みたて野菜室」(UV除菌設定時)のスライドケースで10日間保存後にビタミンC濃度を高速液体クロマトグラフ法にて測定し比較、【試験結果】初期値:50mg/100g、10日後:60mg/100g。保存前の状態や種類、運転状況によって異なります。

※4【試験依頼先】(一財)日本食品分析センター、【試験方法】オクラ(ラップなし)をGR-W600FZS「もっと潤う 摘みたて野菜室」(UV除菌設定時)のスライドケースで10日間保存後にビタミンA濃度を高速液体クロマトグラフ法にて測定し比較、【試験結果】初期値:61μg/100g、10日後:111μg/100g。保存前の状態や種類、運転状況によって異なります。

※5【試験依頼先】(一財)ボーケン品質評価機構、【試験方法】JIS Z 2801に準拠、【抗菌方法】抗菌剤、【試験結果】99%以上の抗菌効果を確認、【報告書番号】JNLA2023K0272