東芝ライフスタイルの取り組み
自然共生社会への貢献
事業所における化学物質管理
東芝ライフスタイルグループでは、化学物質を「禁止」「削減」「管理」に区分し、削減・管理に取り組んでいます。削減物質については、環境へ直接影響する大気や水域への排出量削減に努めており、化学物質総排出量原の削減に向けた活動を推進しています。 新規に使用もしくは購入する原材料・薬品については事前評価を実施しています。環境汚染の未然防止を図ると共に、作業環境を中心とする衛生管理の充実を評価し、薬品等の使用を制限する環境関係法令、労働安全衛生法、消防法、その他関係法令の遵守を確認し、使用可否の判定を行っています。
大気汚染物質の主な原因となるSOx(硫黄酸化物)・NOx(窒素酸化物)、水質汚濁防止法の基準であるBOD(生物化学的酸素要求量)や浮遊物質等の排出濃度を把握し、適正な排出管理に取り組んでいます。また、事業所ごとに法律の規制よりも厳しい自主管理値を設定し、規制濃度を遵守しています。
排水処理施設による排水環境負荷物質の管理
東芝ライフスタイル愛知事業所(愛知県瀬戸市)では、事業所からの排水を河川へ放流しています。そのため、周辺環境に影響を与えないよう排水処理施設で汚濁物質を除去しています。
水質汚濁防止法の排水基準を定期的に測定・把握し、排水の適正な管理に取り組むとともに、排水中のpH・COD(化学的酸素要求量)・ 窒素・リンなどの濃度を連続測定し、水質を常に確認したうえで排水しています。
さらに法律の規制よりも厳しい自主管理値を設定し、規制濃度を遵守しています。
内釜外面の静電塗装による化学物質使用量の削減
東芝ホームテクノ(新潟県加茂市)では、保温釜の内釜外面の塗装方法を、エアースプレーガン方式から静電塗装方式に変更しました。
塗料を均一に塗着させることができ、さらに化学物質使用量も削減できました。
製品含有化学物質の管理
東芝ライフスタイルグループでは、製品に含まれる化学物質の管理を展開しており、製品の部品・材料などの調達品への含有を禁止する物質(禁止物質(群))と調達品での含有状況を把握し、削減・代替化を検討する物質(管理物質(群))を定めて管理しています。これらの物質を「グリーン調達ガイドライン」にまとめ、調達取引先様に周知し、ご協力いただきながら、化学物質による環境負荷の小さい製品・部品・材料などを調達しています。
東芝ライフスタイルグループ環境関連物質リスト
東芝ライフスタイルグループでは、製品に含まれる化学物質の管理を展開しており、製品の部品・材料などの調達品への含有を禁止する物質(禁止物質(群))と調達品での含有状況を把握し、削減・代替化を検討する物質(管理物質(群))を定めて管理しています。これらの物質を「グリーン調達ガイドライン」にまとめ、調達取引先様に周知し、ご協力いただきながら、化学物質による環境負荷の小さい製品・部品・材料などを調達しています。
区分 | |
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ランクA (禁止物質(群)) | 東芝ライフスタイルグループにおいて、調達品(包装材含む)への含有を禁止する物質(群)、または国内外の法規制で製品(梱包材を含む)への使用が禁止または制限されている物質(群)。 |
ランクB (管理物質(群)) | 使用実態を把握し、削減・代替化等の環境負荷低減に努める物質(群)、またはクローズドシステムで回収・無害化を図り環境への影響を抑制する物質(群)。 |
製品含有化学物質規制への取り組み
欧州から世界に広がっているRoHS指令※1などの環境関連法規制等の最新情報を入手に努めるとともに、早い段階で把握・対応できるよう努めています。RoHS指令で製品への含有が禁止される物質については、代替が困難である一部の用途を除いて、グローバルで不含有への対応を図っています。東芝ライフスタイルグループでは禁止物質の不含有をより確実にするために、調達取引先様からの回答書に加え、自主基準を定めて国内外の生産拠点で簡易分析装置による検査を行っています。
※1 Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipmentの略。「電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する指令」。
グリーン調達ガイドライン
東芝ライフスタイル株式会社では、グリーン調達とは、積極的に環境保全を推進している調達取引先様から、環境負荷の小さい製品・部品・材料等を調達することと考えています。そのために、グリーン調達ガイドラインを定め、グリーン調達を実施しています。
調達品の含有化学物質の管理
欧州から世界に広がっているRoHS指令などの環境関連法規制の遵守、製品含有化学物質の管理および環境負荷の小さい製品・部品・材料等のご供給をお願いしています。製品含有化学物質の管理として、以下の徹底をお願いします。
(1)製品含有化学物質管理体制の構築
(2)有害化学物質の削減等、環境負荷の小さい部品・材料等の調達(グリーン調達)の実施
(3)環境関連物質使用状況へのご回答
1. 「環境関連物質使用/不使用宣言書」による禁止物質の不含有確認
2. 分析評価結果の調査
3. その他、上記の回答にあたっての確実化のために必要な調査
- 東芝ライフスタイル株式会社グリーン調達ガイドライン 日本語版(PDF:772KB)
- 東芝ライフスタイル株式会社グリーン調達ガイドライン 英語版 [English](PDF:557KB)
- 東芝ライフスタイル株式会社グリーン調達ガイドライン 中国語版 [中文](PDF:724KB)
生物多様性保全の取組み
現在、人間活動の活発化とともに、世界で生物多様性の劣化がすすんでいます。事業活動を継続していくためには、環境負荷低減活動に加え、 より生物多様性保全を意識した取り組みが必要です。
東芝ライフスタイルグループでは、生物多様性への悪影響を最小化し、改善に向けた転換を図ることを目的として、生態系ネットワークの構築や事業所内外における希少な動植物の保護など生物多様性保全のために以下の活動を積極的に行っています。
事業所敷地内での希少動植物「ギフチョウ」等の保護
東芝ライフスタイル愛知事業所(愛知県瀬戸市)では、2014年から事業所内の生態系調査を行っています。この生態系調査によって、愛知事業所内でギフチョウが発見されました。
■発見されたギフチョウ
■ギフチョウの卵
■ギフチョウの幼虫
■食草のスズカカンアオイ
ギフチョウは里山や森林等に生息していますが、近年は里山の放棄や開発によって個体数が減っており、環境省および愛知県のレッドデータブックで絶滅危惧種Ⅱ類に指定されています。
平地や市街地ではあまり見られず、特に企業の事業所敷地内に生息しているのは大変珍しいことです。食草のスズカカンアオイが敷地内に自生しており、愛知事業所内では、毎年、ギフチョウの成虫の他、多数の卵や幼虫が確認できます。ギフチョウの生息環境保全のために、ネザサや低木等の刈り取りを定期的に行い、飛翔空間の確保とスズカカンアオイの育成を行っています。
■その他、愛知事業所で発見された希少種
■サクラバハンノキ
環境省:準絶滅危惧
■シデコブシ
環境省:準絶滅危惧
愛知県:絶滅危惧Ⅱ類
■カザグルマ
環境省:準絶滅危惧
愛知県:絶滅危惧ⅠB類
■シマジタムラソウ
環境省:絶滅危惧Ⅱ類
愛知県:準絶滅危惧
事業所内ビオトープ設置によるナミアゲハの飛来から成長確認
東芝ホームテクノ(新潟県加茂市)では、事業所内にビオトープを設置し、アゲハ蝶の幼虫の食草となる金柑と柚子の木を植樹することで、ナミアゲハの飛来を確認できました。また、産卵→幼虫→サナギ→羽化までの成長の過程も確認することができ、事業所内を結ぶ生態系ネットワークの構築ができました。
■事業所内に設置したビオトープ
■ナミアゲハの産卵と飛来
■ナミアゲハのサナギ