当社は、過熱水蒸気オーブンレンジ「石窯ドーム」の新製品としてER-JD510を7月中旬から発売します。
新製品は、新開発の極小粒子のセラミック含有塗料(「とれちゃうコート」)を庫内壁面と天井、オーブン用角皿にコーティングすることで、遠赤外線による効率的な食品の加熱(「庫内まるごと遠赤」)と清掃性の向上を実現しています。新開発「とれちゃうコート」のセラミック粒子はサイズが約50nm(ナノメートル)と微細なため、表面が平坦で平滑な状態となり、調味料等の焦げつき、食材のこびりつきも軽く拭くだけで簡単にはがして落とせます。
「石窯ドーム」は、遠赤外線による「庫内まるごと遠赤」と熱風をすばやく庫内に循環させる湾曲天井の「石窯ドーム構造」、「石窯トルネードエンジン」などの熱風循環を加速する「石窯ドームシステム」により、石窯調理の良さである「高温で素早く表面を焼き上げ、食材の旨みを閉じ込めて仕上げる」オーブン調理を実現しています。オーブン調理時は、業界最高350℃注1に高速加熱、2段調理の場合には「遠赤包み焼き角皿」の周囲に設けたスリットから、熱風を効率よく前後左右から循環させてムラを抑えて焼き上げることができます。
また、レンジ加熱時に使用するマイクロ波拡散用の金属製アンテナを新開発し、形状をドーム状にしたことにより、あたためムラの改善と異なる温度・種類の二品の食品の同時あたためが可能になるとともに、加熱効率も向上し、これにより省エネ達成率115%注2を実現しています。
加えて、お米と食材から、レンジ加熱でごはんとおかずを同時に調理する「カフェごはん(2品同時調理)」、オーブンの上下段で異なる調理ができる「2段同時調理」といったお手軽に効率よくできる調理も可能です。
さらに、「石窯ドーム」シリーズとしてER-JD410、ER-JD310、ER-JD10を7月中旬から発売します。
新製品の概要
- 注1 2011年5月23日現在、国内家庭用100Vオーブンレンジにおいて
- 注2 家庭用電子レンジ 区分F(熱風循環加熱方式)年間消費電力量 63. 9kWh/年 目標年度2008年度において。省エネ法・特定機器「電子レンジ」測定方法による数値。区分名も同法に基づいています。
商品化の背景と狙い
2011年度の国内オーブンレンジ市場は約280万台を見込んでいます(東芝調べ)。当社は、2009年に庫内構造を一新し、石窯により近い形状と熱風の風路を備えた「石窯ドーム」を商品化しました。「石窯ドーム」をご使用いただいたお客様からオーブン調理に関して高い満足度の評価をいただきました。さらに今回、要望の高い「お手入れ性」の向上、「レンジの加熱性能」を大きく向上させた過熱水蒸気オーブンレンジを商品化し発売します。
新製品の主な特長(ER-JD510)
1. 遠赤外線を多量に発生し、焦げつき汚れを拭くだけで落とせる「とれちゃうコート」
石窯で焼き上げた料理がおいしい理由は、「高温で素早く表面を焼き上げ、食材の旨みを閉じ込めて仕上げる」ためと言われています。
新製品は、庫内壁面、天井、オーブン用角皿に遠赤外線を発生する新開発のナノサイズ粒子のセラミック含有塗料「とれちゃうコート」をコーティングしています。これによる遠赤効果(「庫内まるごと遠赤」)と、庫内天井とヒーターを湾曲させた「石窯ドーム構造」などの熱風循環を加速させる「石窯ドームシステム」の効果により、200℃までの立ちあがりが業界最速約5分注3、業界最高350℃注1のオーブン調理を実現しています。
また、新開発の「とれちゃうコート」は、セラミックの粒子サイズが約50NM(ナノメートル)と微細なため、表面が平坦で平滑な状態となり、調味料等の焦げつき、食材のこびりつきも軽く拭くだけで簡単にはがして落とせます。
- 注3 2011年5月23日現在、国内家庭用100Vオーブンレンジにおいて
2. 上下2段に熱風が循環する「遠赤包み焼き角皿」
「とれちゃうコート」加工のオーブン用「遠赤包み焼き角皿」は、周囲に設けたスリットから「石窯ドームシステム」で庫内に回った熱風を上下に循環させます。食品を前後左右から包み焼きすると同時に上下2段調理時の上下の焼きムラも抑えます。熱風が素早く循環するため、例えば、バターロールの場合、「石窯ドームシステム」以前の機種と比べ約11%もふくらみが増しています注4。
さらに、「とれちゃうコート」で加工した「遠赤包み焼き角皿」は、調味料等の焦げ付き、食品のこびりつきが調理後に拭くだけで落とせるため、調理前に角皿に油を塗ったり、オーブンシートを使用する必要がありません。
- 注4 当社2007年度ER-E350との比較。ER-E350では高さ42mmに対し、ER-JD510では、46mm(自社調べ)
3. あたためムラを抑える新開発「ドームアンテナ」で、二品同時あたためも可能に
レンジ加熱時に使用するマイクロ波拡散用の新開発「ドームアンテナ」は、従来の平面形状のアンテナに比べ、マイクロ波をより広範囲に拡散させることができ、レンジ加熱時のあたためムラを抑えます。従来アンテナに比べドームアンテナでは、例えば冷凍シューマイをあたためたときの仕上がり温度差では約29%低減しています注5。
また、ドームアンテナは一部分を大きく開口させた形状にしたことで、マイクロ波を部分的に強く発生させることが可能になり、これにより種類と温度の異なる二品の食品を同時にあたためる「二品あたため」が可能になりました。食品の温度を検知する「8つ目スイング赤外線センサー」とドームアンテナの回転位置の検知により、より温度が低い食品にマイクロ波が集中するように制御できます。従来は、別々にあたためていた「冷凍ごはん」と「常温のカレー」も同時にあたためられます。
- 注5 当社2010年度ER-HD500との比較。冷凍シューマイ15個を平皿に並べ、手動レンジ1000Wで約3分加熱した場合の最大温度と最小温度の差が、ER-HD500は24℃、ER-JD510は17℃(自社調べ)。
4. 「8つ目スイング赤外線センサー」検知のレンジ機能
高出力で水分の蒸発を抑えてすばやくあたためる「ごはん あたため」、インバーターで加熱制御して、はじけたり、かたくなったりするのを抑えてあたためる「おかず あたため」、食材、温度が異なる二品を同時にあたためる「二品 あたため」などの機能がワンキーで操作できます。また、自動あたため機能には、スチームで加湿しながらあたためる「スチーム あたため」機能も搭載しています。
5. 背面・左右両面が壁ぴったりの省スペース設置
本体の左右両側面に、真空断熱パネルを採用し、背面と左右は壁にぴったり付けて設置できます(上面は10cm空けます)。オーブン調理時に、庫内サイド熱風で発生する輻射熱を左右両側面の真空断熱パネルで抑え、省スペース設置を実現しています。
6. 最高400℃から35℃の低温まで幅広いスチーム調理
最高400℃注6の過熱水蒸気で食品を焼き上げることで、余分な油脂を落とす「過熱水蒸気調理」から、素材や調理メニューに合わせてきめ細かく調節できる低温スチームの「適温スチーム」(95℃~35℃)まで幅広いスチーム調理が選べます。一般的な蒸し器と同程度のスチーム量(毎分24ml注7)で蒸す「本格せいろ蒸し調理」では、丸ごと1匹の魚の蒸し物、手作りのシューマイができます。「適温スチーム調理」では、“す”のたたない茶碗蒸しのほか、霧吹きをしなくても乾燥を防いでパン生地を発酵させるスチーム発酵(適温スチーム40℃)も可能です。さらに、「過熱水蒸気調理」、「石窯オーブン調理」と、その2つを組み合わせた「ハイブリッド調理」の3通りの焼き方を選べます。
- 注6 噴き出し部最高温度
- 注7 スチーム設定時の最大発生量
7. 焼きムラ抑える「石窯ドームグリル」と両面グリル機能
天井の曲面ヒーターにより、中央部分と周辺部との間で生じやすかった焼きムラを低減しました。さらに、マイクロ波を受けて発熱するセラミックプレート「こんがりプレート」と、「石窯ドームグリルヒーター」を組み合わせた「両面グリル調理」では、裏返すことなく両面焼きが出来るお手軽なニューが充実しています。
8. 「スピードメニュー」と「パン工房」100メニューを含め全362レシピ
お弁当のおかず、お酒のおつまみなどの手軽な一品料理用に、3分、5分、8分の「スピードメニュー」を搭載しています。お米と食材から、レンジ加熱でごはんとおかずを同時に調理する「カフェごはん(2品同時調理)」メニュー、オーブンの上下2段で別々の調理ができる「2段同時調理」など、付属の料理集で全362レシピを掲載しています注8。
- 注8 オートメニュー、アレンジメニュー、焼き上げタイプ、分量別レシピを含む
料理集にはパンだけで100メニューを掲載しています。オーブン調理したいメニューのトップはパンです(東芝調べ)。パンづくりを始めたい方から上級者まで、レベルに合わせて選べ、メロンパン、フランスパン、バターロール、ベーグルなどがオートメニューでお手軽に調理できます。
9. 庫内のお手入れに便利な機能
「手間なしお手入れ」コース:
スチームで汚れを浮かすお手入れ機能「手間なしお手入れ」、「脱臭」機能がオートメニューにあります。
東芝独自の庫内底面「親水性クリーンコート」:
庫内底面に、「親水性クリーンコート」を採用し、オーブン調理でこびりついた油汚れも、スチームによる「手間なしお手入れ」で汚れを浮かせば簡単に拭き取れます。
文字が大きく読みやすい「ホワイトバックライト液晶表示」:
明かりの少ないキッチンでも見やすい大型バックライト液晶です。時間表示の文字も大きなサイズです。
10. 環境への配慮
オーブン調理における石窯ドーム構造、レンジ調理における新開発ドームアンテナなどによる省エネ性能の向上により、当社2006年機種に比べ、年間消費電力量を約23%削減注9しました。省エネ達成率は115%です。また、電子ユニットの基板には鉛はんだを一切使用しないなど、環境に有害な素材の使用を控えています。グリーン購入法に適合し、J-MOSSにも対応しています。調理終了後、扉を開けてから5分後に自動で電源が切れる「オートパワーOFF」のほか待機時の消費電力ゼロなどの省エネ機能を採用しています。
- 注9 当社2006年度ER-D350の年間消費電力量83. 3kWh/年と、ER-JD510 63. 9kWh/年との比較。省エネ法・特定機器「電子レンジ」測定方法による数値。
環境への取り組みについて
東芝グループは、「地球内企業」として持続可能な地球の未来に貢献するため、「東芝グループ環境ビジョン2050」を策定し、総合環境効率を2000年度基準で2050年度までに10倍に高める目標を掲げています。この実現に向け、「東芝がモノを作るときのエコ"Green of Process"」、「東芝の作る製品がエコ"Green of Product"」、さらに、効率の高いエネルギー供給機器の開発などの「環境技術で貢献するエコ"Green by Technology"」、の3つのGreenで地球との共生や豊かな価値の創造のための取り組みを行っていきます。
東芝グループは、こうした環境への取り組みを一層加速するとともに、広く訴求するため、「ecoスタイル」をグローバル統一ブランドと定めています。
新製品の主な仕様
ER-JD510・ER-JD410・ER-JD310
- 注1 定格高周波出力1000Wは短時間高出力機能(約5分間)であり、定格連続高周波出力は600Wです。600Wへは自動的に切り換わります。
- 注2 オーブン、過熱水蒸気、ハイブリッドの温度を260℃以上に設定したときは、調理開始30分で250℃に切り換わります。
350℃での連続運転時間は、約5分です。過熱水蒸気とハイブリッドで設定できる温度は300℃までです。
また、設定温度が280℃以上のときは、予熱温度は270℃になります。 - 注3 オーブン温度を240℃以上に設定したときは、調理開始後、25分で230℃に切り換わります。300℃での連続運転時間は、約5分です。
過熱水蒸気で設定できる温度は250℃までです。また、設定温度が240℃以上のときは、予熱温度が230℃になります。 - 注4 年間消費電力量は、省エネ法・特定機器「電子レンジ」測定方法による数値、省エネ基準達成率は、同法の区分「F」による数値です。
ER-JD10
- 注1 定格高周波出力1000Wは短時間高出力機能(約5分間)であり、定格連続高周波出力は600Wです。600Wへは自動的に切り換わります。
- 注2 オーブン温度、過熱水蒸気温度を210℃以上に設定したときは、調理開始25分で200℃に切り換わります。
また250℃での連続運転時間は、約5分です。また、設定温度が210℃以上のときは、予熱温度が200℃になります。 - 注3 年間消費電力量は、省エネ法・特定機器「電子レンジ」測定方法による数値、省エネ基準達成率は、同法の区分「E」による数値です。
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