当社は、過熱水蒸気オーブンレンジ「石窯ドーム」の新製品として、両側面に真空断熱パネルを新採用することでキッチンや食器棚などの壁に背面と左右を付けて設置できるER-HD500を9月初旬から発売します。
新製品は、オーブン調理時に庫内を高速で350℃の高温に加熱するため、セラミック含有塗料により遠赤外線を多量に発生する「庫内まるごと遠赤」、熱風をすばやく庫内に循環させる湾曲天井の「石窯ドーム構造」を採用し、「高温で素早く表面を焼き上げ、食材の旨みを閉じ込めて仕上げる」石窯調理に近づけています。オーブン調理用の「遠赤包み焼き角皿」は、周囲にスリットを設け、2段調理時にも「石窯ドーム構造」による熱風を効率よく前後左右から循環して焼き上げることができます。
さらに、本体の左右両側面に、真空断熱パネルを新採用することでオーブン調理時に、「庫内サイド熱風」で発生する輻射熱を抑え、従来は4. 5cm空ける必要のあった左右側面を壁にピッタリ付けて設置できるようにしました。また、「背面ピッタリ設置」は元より、上面も従来20cm空ける必要のあった空間を10cmに縮めています。
オーブン調理の他にも、最高400℃の過熱水蒸気で余分な油を落とす「ヘルシーな調理」、オーブンと組み合わせた「ハイブリット石窯調理」が可能です。
他に、マイクロ波を受けて発熱する「こんがりプレート」とグリルを併用することで両面に焦げ目を付けられる「両面グリル機能」と、液晶画面で調理手順を表示する「らくらく液晶ナビ&お知らせサイン」を新たに搭載しました。お弁当のおかずなどもう一品の追加が、3分、5分、8分の短時間メニューから選べる「スピードメニュー」も新搭載しています。加えて、業界NO. 1注2の省エネ基準達成率112%です。
また、「石窯ドーム」ER-HD400を9月初旬に、総庫内容量30Lで外形サイズがER-HD500の約85%注3の「コンパクト石窯ドーム」ER-HD300を10月初旬に発売します。
他に、総庫内容量30Lの「石窯オーブン」ER-H10を10月初旬に発売します。
新製品の概要
商品化の背景と狙い
2010年のオーブンレンジの市場は、約260万台を見込んでいます(東芝調べ)。近年の内食化の傾向から、オーブンレンジ機能のご家庭での使用機会も増えるとみられます。当社は、2009年に庫内構造を一新し、石窯により近い、形状と熱風の風路を備えた「石窯ドーム」を商品化しました。高級タイプのオーブンレンジを購入するユーザの約5割が試してみたい「自宅でパンを焼きたい (東芝調べ)」との要望に応え、パンメニューも充実させています。今回新たに、お弁当を準備される場合などに便利な短時間調理へのニーズ、近年増える傾向にあるキッチンボードと呼ばれる食器棚兼用の家電収納棚への設置時に生じる高さと幅の制約にも対応した過熱水蒸気オーブンレンジを商品化します。
新製品の主な特長(ER-HD500)
1. より均一なオーブン加熱を可能にする「石窯ドームシステム」
石窯で焼き上げた料理がおいしい理由は、「高温で素早く表面を焼き上げ、食材の旨みを閉じ込めて仕上げる」ためと言われています。
新製品ER-HD500は、庫内全面注4に遠赤外線を多量に発生するセラミック含有の塗料「遠赤・脱臭セラミックコート」をコーティングすることで、庫内全面から発生する遠赤外線で包み込むように焼き上げ、食品を内部まで効率よく加熱します。この「庫内まるごと遠赤」による遠赤効果に加え、庫内天井とヒーターを湾曲させた「石窯ドーム構造」と、熱循環が加速する「底面ワイド熱風」、「サイド熱風」と、効率よく高温・高風量の熱風を生み出す「石窯トルネードエンジン」により、庫内に一気に熱をまわし、200℃までの立ちあがりが業界最速約5分注5、さらに、業界最高350℃注1のオーブン温度で、「高温で素早く表面を焼き上げ、食材の旨みを閉じ込めて仕上げる」石窯調理を実現しています。
2. 上下2段に熱風が循環する「遠赤包み焼き角皿」
表面を「遠赤・脱臭セラミックコート」で加工したオーブン用の「遠赤包み焼き角皿」は、周囲にスリットを設け、「石窯ドームシステム」で庫内に回った熱を上下に循環させます。食品を前後左右から包み焼きするだけでなく上下2段調理時でも焼きムラを抑えます。例えば、バターロールでは従来構造の機種と比べ熱風が均一に素早く循環するため、約11%もふくらみが増しています注6。
3. 左右側面に真空断熱パネルを搭載し可能となった省スペース設置
本体の左右両側面に、真空断熱パネルを新採用し、左右を壁にぴったり付けて設置できるようになりました。オーブン調理時に、庫内サイド熱風で発生する輻射熱を左右両側面の真空断熱パネルで抑え、省スペース設置を実現しました。背面も壁面に付けられる上、上面も従来20cm空ける必要のあった空間を10cmに縮めています。
4. 最高400℃から35℃の低温まで幅広いスチーム調理
最高400℃注7の過熱水蒸気で食品を焼き上げることで、余分な油脂を落とす「過熱水蒸気調理」から、素材や調理メニューに合わせてきめ細かく調節できる低温スチームの「適温スチーム」(95℃~35℃)まで幅広いスチーム調理が選べます。
一般的な蒸し器と同程度のスチーム量(毎分24cc注8)で蒸す「本格せいろ蒸し調理」では、丸ごと1匹の魚の蒸し物、手作りのシューマイができます。
「適温スチーム調理」では、“す”のたたない茶碗蒸しのほか、霧吹きをしないでパン生地を発酵させるスチーム発酵(適温スチーム40℃)も可能です。さらに、「過熱水蒸気調理」、「石窯オーブン調理」と、その2つを組み合わせた「ハイブリッド石窯調理」の3通りの焼き方を選べます。
5. 焼きムラ抑える「石窯ドームグリル」と両面グリル機能の「こんがりプレート」
天井の曲面ヒーターにより、中央部分と周辺部との間で生じやすかった焼きムラを低減しました。さらに、マイクロ波を受けて発熱するセラミックプレート「こんがりプレート」と、「石窯ドームグリルヒーター」を組み合わせた「両面グリル調理」が可能になりました。「たこ焼き」、「たい焼き」などの市販の冷凍食品も焦げ目を付けて温められます。
6. 「8つ目赤外線センサー」検知のレンジ機能
連続1000Wですばやくあたためる「スピードあたため」、赤外線センサーで食品の表面温度を検知して、インバーターで加熱制御して温める「ソフトあたため」、スチームで加湿しながら、少し硬くなったご飯などを加熱する「スチームあたため」などの機能が、ワンタッチでできます。「スチーム生解凍」では、端煮えする原因となる最終工程のマイクロ波加熱を、35℃の適温スチーム加熱に代えることで、端煮えしにくい仕上がりを可能にしています。
7. 100メニューの「パン工房」と毎日使える「スピードメニュー」
オーブンで試したいメニュー第一位のパン(東芝調べ)を100メニュー料理集に掲載しました。それぞれのパンメニューには難易度が表示されているので、パンつくり初心者から上級者まで、レベルに合わせて選べます。メロンパン、フランスパン、クロワッサン、ベーグルなどがオートメニューで調理できます。
また、お弁当のおかず、お酒のおつまみなどの手軽な一品料理用に、3分、5分、8分の「スピードメニュー」を新搭載しました。付属の料理集では、パンメニューも合わせて、全348レシピを掲載しています注10。
8. 庫内のお手入れのしやすさ
「お手入れ」オートコース
汚れを浮かすスチームお手入れ機能、脱臭機能をオートメニューに搭載しました。
遠赤効果と脱臭効果を備えた庫内コート「遠赤・脱臭セラミックコート」
庫内コーティングには、遠赤効果に加え、オーブン使用時と脱臭コース使用時の庫内高温時に臭いを分解する脱臭機能を備えた「遠赤・脱臭ブラックコート」を採用しています。さらに、表面のセラミック加工により庫内が傷つきにくくなっています。
東芝独自の庫内底面「親水性クリーンコート」
底面には、「親水性クリーンコート」を採用し、オーブン調理でこびりついた油汚れも、スチームによる「お手入れ」メニューで汚れを浮かせば、簡単にふき取れます。
9. 便利な機能
「光るオートメニュー」「ホワイトバックライト大型液晶」と「庫内灯」
点灯して見やすいオートメニューのほか、横幅166×縦40mm注11の大型液晶に「らくらく液晶ナビ」を新搭載しました。加熱方法の選択や温度設定、時間設定が、左から順番に液晶に表示される上、ダイヤルによる簡単操作です。暗い場所でも表示が読みやすいホワイトバックライト液晶表示に加え、食品の出し入れ時、庫内のお掃除時に便利な庫内灯付きです。
「お知らせ」サイン
初めて使用する方でも困らないよう液晶表示の横に「お知らせ」サインを新搭載しました。センサーオートレンジ時の「ラップ不要」表示を点灯したり、スチーム調理の場合の「給水」表示を点灯したりします。
10. 環境への配慮
環境に配慮するため、電子ユニットの基板には鉛はんだを一切使用しないなど、環境に有害な素材の使用を控えています。グリーン購入法に適合し、J-MOSSにも対応しています。調理終了後、扉を開けてから5分後に自動で電源が切れる「オートパワーOFF」のほか待機時の消費電力ゼロなどの省エネ機能を採用するほか、マイクロ波加熱とオーブン加熱の効率化により、2008年度省エネ基準達成率112%の業界NO. 1注2の省エネ機種となっています。
環境への取り組みについて
東芝グループは、「地球内企業」として持続可能な地球の未来に貢献するため、「東芝グループ環境ビジョン2050」を策定し、総合環境効率を2000年度基準で2050年度までに10倍に高める目標を掲げています。この実現に向け、「東芝がモノを作るときのエコ“Green of Process”」、「東芝の作る製品がエコ“Green of Product”」、さらに、効率の高いエネルギー供給機器の開発などの「環境技術で貢献するエコ"Green by Technology"」、の3つのGreenで地球との共生や豊かな価値の創造のための取り組みを行っていきます。
東芝グループは、こうした環境への取り組みを一層加速するとともに、広く訴求するため、「ecoスタイル」をグローバル統一ブランドと定めています。
- 注1 2010年7月21日現在、国内家庭用100Vオーブンレンジにおいて
- 注2 2010年7月21現在、家庭用電子レンジ 区分F(熱風循環加熱方式)において年間消費電力量 65. 6KWH/年
- 注3 ER-HD500の外形サイズ 幅500×奥行き497×高さ412mm ER-HD300の外形サイズ 幅500×奥行き450×高さ383mm
- 注4 扉部を除く
- 注5 2010年7月21日現在、国内家庭用100Vオーブンレンジにおいて
- 注6 従来機種ER-E350との比較。E350では、高さ42mmに対し、HD500では、46mm(自社調べ)
- 注7 噴き出し部最高温度
- 注8 スチーム設定時の最大発生量
- 注9 鶏の照り焼き過熱水蒸気調理 調理前 163kcal/100g 調理後 141kcal/100g(自社調べ)
- 注10 オートメニュー、アレンジメニュー、焼き上げタイプ、分量別レシピを含む。
- 注11 表示窓部の大きさ
新製品の主な仕様
- 注1 定格高周波出力1000Wは短時間高出力機能(約5分間)であり、定格連続高周波出力は600Wです。600Wへは自動的に切り換わります。
- 注2 オーブン、過熱水蒸気、ハイブリッド石窯の温度を260℃以上に設定したときは、調理開始30分で250℃に切り換わります。
350℃での連続運転時間は、約5分です。過熱水蒸気とハイブリッド石窯で設定できる温度は300℃までです。
また、設定温度が270℃以上のときは、予熱温度は270℃になります。 - 注3 オーブン温度を240℃以上に設定したときは、調理開始後、25分で230℃に切り換わります。300℃での連続運転時間は、約5分です。
過熱水蒸気で設定できる温度は250℃までです。また、設定温度が230℃以上のときは、予熱温度が230℃になります。 - 注4 年間消費電力量は、省エネ法・特定機器「電子レンジ」測定方法による数値、省エネ基準達成率は、同法の区分「F」による数値です。
- 注1 定格高周波出力1000Wは短時間高出力機能(約5分間)であり、定格連続高周波出力は600Wです。600Wへは自動的に切り換わります。
- 注2 オーブン温度、過熱水蒸気温度を210℃以上に設定したときは、調理開始25分で200℃に切り換わります。
また250℃での連続運転時間は、約5分です。また、設定温度が200℃以上のときは、予熱温度が200℃になります。 - 注3 年間消費電力量は、省エネ法・特定機器「電子レンジ」測定方法による数値、省エネ基準達成率は、同法の区分「E」による数値です。
プレスリリースに掲載されている情報(製品の価格/仕様、サービスの内容及びお問い合わせ先など)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。