当社は、真空機能を予約・炊飯・保温に活用し、内釜の外側側面に熱伝導性の高い銀を含む素材のコーティングとディンプル加工を施した「真空圧力IH保温釜 RC‐10VXC/18VXC」を9月1日から発売します。
東芝だけの真空機能は、お米の芯までの吸水、ごはんの酸化を防ぐ長時間の保温などを可能にしてきましたが、新製品では、新搭載の内釜と炊飯工程の見直しにより、ごはんのおいしさにとって欠かせない「はり」、「つや」、「甘み」を向上しました。
ごはんをおいしく炊き上げるには、炊飯時の炊きムラを抑えることが必要です。当社は独自の真空技術で短時間に芯まで吸水させたお米をムラなく炊き上げるために、独自の鍛造製法により5mmの厚みと羽釜のような60度の丸底の鍛造厚釜を採用してきました。新製品では、さらに鍛造厚釜の外側に熱伝導率が高い銀を含む素材をコーティングし、従来釜底のみだったディンプル加工を全面に施し、ディンプル数は従来比で約2倍注1になりました。また、釜の内側には熱伝導率の高いダイヤモンド微粒子をコーティングしています(「剛熱ダイヤモンド銀釜」)。これにより、沸騰開始時に内釜表面から発生するきめ細かい気泡と、釜全体に行き渡る熱で、均一に炊き上げます。
さらに、ごはんのおいしさにとって欠かせない「はり」と「つや」を引き出すため沸騰時に圧力をきめ細かく制御して炊きます(圧力剛熱「はりつや炊き」)。加えて、炊飯の加熱過程での温度制御によりお米が本来持っている甘みを引き出す「酵素活性 甘み引き出し」の機能を新搭載しました。
また、より操作性を高めるために本体の形状を一新し、操作部を上蓋の中へコンパクトにまとめた蓋パネルのデザインを新採用しました。加えて、汚れやすい内釜の周囲を拭き取りやすいステンレス製のクリーンフレームとし、お手入れもしやすくしています。
他に、季節による水温の変化に応じて浸し時間を制御する「年中ぴったり浸し」、予約炊飯の長時間の浸しでも火力の調整でお米の煮崩れを抑える「ふっくら予約炊き」を搭載しています。「早炊き」「玄米」「無洗米」「発芽玄米」「雑穀米」「おかゆ」「玄米粥注2」と多彩なコースでの炊飯が可能な上に、保温時のつゆ付きを防ぐ「つゆとばし保温ダブルヒーター」、お手入れのしやすい「着脱丸洗い可能な内蓋&蒸気口」等の便利な機能も搭載しています。
他に「真空IH保温釜 RC-10VZC/18VZC」を8月1日に発売します。RC-10VXC/18VXCは、2008年度省エネ基準達成率102%、RC-10VZC/18VZCは105%です。
- 注1 当社従来機種RC-10VWBとの比較において
- 注2 RC-10VXC・18VXCのみ
新製品の概要
商品化の背景と狙い
保温釜の2009年度の総需要は昨年度並みの約600万台で、このうちIH式の構成比は6割を超えると推定しています(東芝調べ)。
昨今の「内食化傾向」を受け、家でおいしいごはんを食べたいという要望は高く、健康志向の高まりもあって、玄米、雑穀米等の炊飯ニーズも重要視されています。さらに、内釜や本体のお手入れのしやすさも重要視されています(東芝調べ)。
当社はこうしたニーズを受け、はりとつやのある理想の食感に近づけごはんの甘みを引き出しながら、お手入れのしやすさと操作性も向上した新製品を商品化しました。
新製品の主な特長
1. 炊きムラを抑える新搭載の内釜「剛熱ダイヤモンド銀釜」
ごはんをおいしく炊くには、炊飯時の炊きムラを抑えることが欠かせません。そのために内釜全体の熱効率を高め、釜内部の熱対流を強める必要があります。東芝の溶湯鍛造製法で、成型した内釜である鍛造厚釜は、高密度で蓄熱性に優れるだけでなく、羽釜と同じ60度の丸底形状により強い熱対流を導きます。鍛造厚釜の内側には、熱伝導率の高いダイヤモンド微粒子を含む「ダイヤモンドチタンコート」を採用し、沸騰の開始時にきめ細かい気泡を内釜表面に発生させています。さらに、内釜の外側側面に熱伝導率の高い銀を含む素材をコーティングし、従来機種注3では釜底のみだったディンプル加工を外側全面に施しました。ディンプル数は従来の約2倍注3、表面積では従来の約1. 2倍注3となりました。この新採用の「剛熱ダイヤモンド銀釜」により、炊きムラを抑えた炊き上がりを実現しました。
- 注3 当社従来機種RC-10VWBとの比較において
2. ごはんの甘み、はり、つやを引き出す きめ細かい制御
炊飯は、「浸し」「沸騰立ち上げ」「沸騰」「むらし」と進みますが、「沸騰」する前の「沸騰立ち上げ」の過程で、40度から70度の温度帯をゆっくり上昇させると、芋をゆっくり加熱すると甘みが増すことが知られているように、お米に含まれる酵素「アミラーゼ」の活性化により、お米が本来持っている甘みを引き出すことができます。新製品では、この温度帯の通過時間を従来より長くした新採用「酵素活性 甘み引き出し」により、ごはんの甘み(還元糖)を引き出しています。
さらに、ごはんのおいしさにとっては、この「甘み」の他に「粘り」「硬さ」「つや」「香り」が重要です。沸騰時に圧力をかけ、炊飯の最後にあたる「むらし」の過程で加熱量を上げることで、「粘り」「硬さ(やわらかさ)」「つや」「香り」を引き出します(圧力剛熱「はりつや炊き」)。
3. 真空吸水「うるおい仕込み」
炊飯において「浸し」はおいしいごはんを炊くために重要な工程です。この「浸し」が充分でないと米の中心に芯が残りおいしいご飯に炊き上がりません。真空ポンプによる減圧で、お米の中に含まれる空気が抜け、代わりに水がお米に浸透することで芯までしっかり吸水でき、ふっくらとしたご飯を炊き上げることができます。
4. メニューに合わせて、かたさを変えて炊き分け
炊飯中の圧力注4と加熱量を細かく制御し、温度ムラを抑えて一粒一粒をはりとつやのあるごはんに炊き上げます。ごはんの炊き分けコースは、「やわらか」「ふつう」「しゃっきり」「おこげ」「もちもち」注5の5コースで、米の銘柄に応じて、あるいはカレーから丼ものなどのメニューに応じて、コースを選ぶ事ができます。また、季節による水温の変化に対応して、浸し時間を制御する「年中ぴったり浸し」、予約時、長時間浸した場合でも、炊飯中の加熱を制御することで、お米の煮崩れを抑えて炊き上げる「ふっくら予約炊き」も搭載しています。
- 注4 RC-10VZC、18VZCは圧力機能を搭載していません。
- 注5 RC-10VZC、18VZCの炊き分けコースは「やわらか」「ふつう」「しゃっきり」「おこげ」の4コースです。
5. 真空美白保温
真空ポンプによって釜内の空気を抜くことで酸素濃度を下げ、ごはんの黄ばみ・においの発生を防ぎ、真空密閉状態で水分の蒸発を防ぎ、ご飯のパサツキを抑えます。業界最長注640時間の保温が可能です。
- 注6 2009年7月16日現在 ジャー炊飯器において
6. 操作をしやすく、お手入れも簡単にした新デザイン
操作部をコンパクトに上蓋の中にまとめた蓋パネルのデザインを新採用しました。加えて、日々の炊飯で汚れの気になる内釜周囲のフレーム部に拭き取りやすいステンレス製のクリーンフレームを採用し、お手入れをしやすくしました。
7. 便利な機能など
炊き上がり時間表示:
従来から沸騰後のむらしが始まると、1分単位で時間表示のカウントダウン表示を行っていました。おかずの準備を計るのに便利なように、炊飯開始からむらしまでの間も5分単位でカウントダウン表示する機能を新たに追加しました。
つゆとばし保温ダブルヒーター:
蓋ヒーターと胴ヒーターのダブルヒーターにより、内蓋と内釜に付きやすいつゆを抑え、保温時のご飯のべちゃつきを防ぎます。
内釜フッ素コーティング3年保証注7:
内釜は、洗米も可能な耐磨耗性の高いフッ素樹脂コーティグ加工です。
- 注7 ご購入後3年以内に内側のコーティングがはがれた場合は新品の内釜とお取替えします(説明書の記載事項に沿わない使い方をした場合は対象外となります)。
8. 環境への配慮
新製品では、電子ユニットの基板には鉛はんだを一切使用しないなど環境に有害な素材の使用を控えています。また、デザインの変更に合わせ、省エネ仕様として断熱構造を採り入れた新設計です。新製品は、いずれも2008年度省エネ基準達成率100%以上です。
「ecoスタイル」について
東芝の家庭電器グループ注8では、「節電」「節水」などの環境調和型の家電商品をご使用いただくことで、意識せずに快適で環境に配慮した生活を実現するライフスタイル「ecoスタイル」を提案しています。
エネルギーと資源の有効活用である節電・節水、再生利用のしやすい設計、特定化学物質の使用制限などに配慮した環境調和型の商品を「モノづくり」の基本としています。「地球内企業」として、環境性能に優れた商品を提供することで、より良い地球環境の実現に貢献します。
- 注8 東芝ホームアプライアンス(株)、東芝ライテック(株)、東芝キヤリア(株)、東芝コンシューママーケティング(株)等の各社及び傘下会社
新製品の主な仕様
- 注9 省エネ法・特定機器(ジャー炊飯器)測定法による数値です。(区分名も同法に基づく炊飯方式、炊飯容量によります。)
- 注10 ご購入後3年以内に内側のコーティングがはがれた場合は新品の内釜とお取替えします(説明書の記載事項に沿わない使い方をした場合は対象外となります)。
プレスリリースに掲載されている情報(製品の価格/仕様、サービスの内容及びお問い合わせ先など)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。