当社は、予約から保温まで、炊飯全工程にわたって真空機能を発揮し、さらに発熱効率の高い素材を用いた新IH内釜を搭載した「真空圧力IH保温釜 RC‐10VGB/18VGB」を9月1日から発売いたします。
新製品は、ごはんのおいしさを向上するために炊飯全工程を見直しました。そのための技術として、ネオジウム磁石採用の小型高性能の真空ポンプを2機使用した「ダブル真空αエンジン」を搭載しています※3。これにより、お米への吸水効率と速度が高まり、0. 55気圧の減圧が可能になるだけでなく、ごはんのおいしさの指標となる要素「味」「外観」「粘り」「硬さ」について従来機種※4よりさらに向上しています。
また、業界最長の40時間「保温」に加え、業界で初めて、玄米、雑穀米の保温が可能になりました。さらに、予約炊飯においても、真空と常圧を繰り返すことで、均一な吸水状態とお米表面の引き締めを行い、炊き上がりの荷崩れを抑えます。
加えて、IHによる発熱効率が高い強磁性ボロン合金を内釜に新採用※5し、熱伝導を高めるために蓄熱部以外を一品ごとに削り出すことでより強い火力と激しい対流により炊き上げます。DSP(Digital Signal Prosesser)可変圧力コントロールと併せて、最大1.4気圧110度の沸騰が可能です。
ほかに、同じく9月1日からRC‐10VSB/18VSBを、8月1日からRC‐10VWB/18VWBと「真空IH保温釜 RC‐10VZB/18VZB」を発売します。
新製品の概要
商品化の背景と狙い
保温釜の2008年度の需要は、約630万台を見込んでいます。このうちIH釜の構成比は、6割を超えるものと推定されます(東芝調べ)。さらにIH釜の中でも、販売価格が5万円を越える高級タイプIH釜の市場が伸びています。
高級タイプIH釜の購買層は、白米に加えて玄米、五穀米等の健康米も簡単においしく炊きたいといった要望が強く、また、食事の時間帯の幅の広がりから、保温したご飯の味へのこだわりも増しています。当社はこうしたニーズに対し、当社独自の小型高性能の真空ポンプと新素材・新形状の鍛造厚釜を採用することにより、おいしさにとって重要な「膨らみ」と「粘り」を向上することでごはんのおいしさを更に引き出し、また白米に加え、玄米、雑穀米の保温も可能にした新製品を商品化します。
新製品の主な特長
1. 新搭載「ダブル真空αエンジン」(RC‐10VGB/18VGB、RC‐10VSB/18VSB)
ネオジウム磁石の小型高性能真空ポンプを2機搭載した「ダブル真空αエンジン」を搭載することで、炊飯工程の「浸し」「ほぐし効果」、「保温」「予約」の機能を向上しています。
1)浸し:「ダブル真空浸透吸水」
東芝が理想とする浸し後のお米の含水率は28~29%であり、「浸し」時の温度が低いほど、お米表面の糊化が進行しない間での吸水が可能になります。従来機種※4では1機だった小型高性能真空ポンプを2機搭載することで、お米への吸水効率と速度を高め、0.55気圧の減圧時に、従来機種約40度に比べて水温が低い約30度での浸し吸水を行うことで、芯までの均一な浸しを可能にしています。
その結果、ごはんのおいしさの重要な要素「外観」、「粘り」、「硬さ」が下表の通りとなり、従来機種※4よりふくらみがあり、しかも粘りと歯ごたえを感じる炊き上がりになります※6。「味」を左右するα化も、「粘り」と「硬さ」の向上により促進されていることが確認できます。
2)ほぐし効果:「ダブル真空仕上げ」
炊き上がり後、なるべく早くしゃもじで「ほぐし」を入れることはごはんをおいしくする上で欠かせません。ほぐすことで余分な水分(特に内釜の底に近いごはん)を飛ばし、表面のベたつき感を無くして、ハリとツヤのあるごはんに仕上げる効果があります。しかし、炊き上がり直後に「ほぐし」を入れないと、時間が経つ程に、余分な水分が媒介してごはん同士がくっついてしまいます。新製品は、炊き上がり後、直ぐにほぐしを入れることが出来ない場合の機能として、「ダブル真空仕上げ」を搭載します。「ダブル真空仕上げ」は、ごはんの炊き上がりの約15分後に一旦真空状態にすることで、保温釜内の余分な水分を蒸気と共に排出し、ごはん同士がくっ付いて固まることを防ぎ、しゃもじで「ほぐし」を入れた場合に近い効果を引き出します。
3) 保温:「ダブル真空美白保温」・・・業界で初めて※2玄米と雑穀米の保温が可能に
業界最長※1の40時間保温が白米で可能です。さらに、従来機種※4ではできなかった玄米と雑穀米の保温をIH保温釜として業界で初めて※2可能にしました。
従来機種※4では、蒸気が充満しているため、炊飯後約2時間程度時間を置いてからでないと作動できなかった真空ポンプが「ダブル真空αエンジン」により炊飯後約30分で作動できます。素早く空気を抜くことで従来機種※4より早い段階で酸素濃度を下げ、ごはんの酸化をさらに抑え、黄ばみ、酸化臭の発生が抑えられます。また、密閉度向上により、水分蒸発量も常圧の4分の1に下がるため、乾燥も抑えられます。
4)予約:「ダブル真空新鮮予約」
予約炊飯は、特に水温が高めの場合、炊飯までの待機中にお米表面が過吸水でふやけるため、炊き上がりのごはんのべたつき・煮崩れが起こりやすい傾向にありました。予約待機中も約3時間ごとに、真空-常圧を繰り返すことで、おこめ表面を引き締めるため、炊き上がりのごはんにハリとツヤが出て、予約でない場合と同じ食味を堪能できます※7。
2. 業界初※1強磁性ボロン合金採用等による発熱性の 向上(RC‐10VGB/18VGB)
おいしく炊くための強火の元になるIHの発熱素材として、内釜に初めて強磁性ボロン合金を新採用しました。ボロン合金はIHによる発熱性が高く、従来のステンレス発熱体等と組み合わせることで、新IH内釜は約38%発熱性が向上しました。
基本となる内釜は、当社独自の溶湯鍛造製法による「一品削り出し厚釜 謹製大発熱鍛造」を採用。鍛造厚釜に設けた釜底約5mm、縁部約4mmの蓄熱部分以外を熱伝導が早くなるよう約2mmの薄さに削り出すため、熱伝導率が向上し、激しい熱対流を生み出すだけでなく、従来比で約30%の軽量化を実現し、使い勝手と共に、省エネ性能も向上しています。
また、内釜表面に高熱伝導性の「ダイヤモンド」の微粒子を、外面に熱伝導性に優れた「銀」をコーティングし、強く大きな対流を生み出すことで炊きムラを抑えます。
3. 1.4気圧、110℃沸騰による炊飯(RC‐10VGB/18VGB)
DSP(Digital Signal Prosesser)インバーターにより、常圧から最大1.4気圧まで圧力を制御します。浸透吸水により最適な水分量になったお米、一粒一粒の芯まで加熱して炊き上げるので、お米のうまみを引き出します。IH保温釜で業界最高圧※81.4気圧110度で炊飯する「早炊き」コースなら、約15分※9でふっくら、つやつやのご飯が炊き上がります。また、時間のかかる玄米でも、約58分で炊き上げます。
4. 便利な機能
内釜フッ素コーティング5年保証(RC‐10VGB/18VGBのみ):
材料や工程を一新し、最適な条件化でコーティングすることにより、内釜のフッ素樹脂加工の耐磨耗性を大幅に高め、コーティングの保証を5年まで延長しました。
真空圧力インジケーター(RC‐10VGB/18VGB、RC‐10VSB/18VSB):
炊飯時の真空・圧力状態を光で表示します。RC‐10VGB/18VGBのみ真空エンジン作動時のインジケーター付きです。
剛熱ダブルリング(RC‐10VGB/18VGB、RC‐10VSB/18VSB):
内釜の縁部に約3~4mm厚の蓄熱部を全周に渡って二重に削り出しました。この「剛熱ダブルリング」が加熱時に蓄熱することで、最も熱が逃げやすい内釜の縁周辺をしっかり高温に保ちます。
熱封じ構造:
発泡ポリプロピレンとメラミン樹脂発泡体による高性能断熱構造を採用ました。
オート調理コース:
パン発酵と焼き上げ、温泉卵、また圧力による肉料理の下ごしらえ等が簡単にできます。
お好み調理
(RC‐10VGB/18VGB、RC‐10VSB/18VSB、RC‐10VWB/18VWB):
35℃から100度までの温度と最長9時間55分までの調理時間の設定を可能とし、IH保温釜調理の幅を広げました。
大きく見やすい表示パネル(RC‐10VGB/18VGB、RC‐10VSB/18VSB):
大きくて見やすいホワイトのバックライト液晶表示なので、操作も簡単です。
クリーンコートボディ:
汚れがつきにくく、掃除もしやすいクリーンコート仕上げ。
5. 省エネ設計
新製品では、電子ユニットの基板には鉛はんだを一切使用しないなど、環境に有害な素材の使用を控えた上、省エネを促進するために、省エネ効果の高い厚釜や「熱封じ構造」を採用しています。省エネ基準達成率において、100%(従来機種に比べ、20%向上※10)の性能となりました(年間消費電力量91.9KWH/年(RC‐10VGB))。
「ecoスタイル」について
東芝の家庭電器グループ※では、「節電」「節水」などの環境調和型の家電商品をご使用いただくことで、意識せずに快適で環境に配慮した生活を実現するライフスタイル「ecoスタイル」を提案しています。
エネルギーと資源の有効活用である節電・節水、再生利用のしやすい設計、特定化学物質の使用制限などに配慮した環境調和型の商品を「モノづくり」の基本としています。「地球内企業」として、環境性能に優れた商品を提供することで、より良い地球環境の実現に貢献します。
- ※ 東芝ホームアプライアンス(株)、東芝ライテック(株)、東芝キヤリア(株)、東芝コンシューママーケティング(株)等の各社及び傘下会社
- ※1 2008年7月7日現在、ジャー炊飯器において
- ※2 2008年7月7日現在、IHジャー炊飯器において
- ※3 RC―10VWB/18VWB、RC-10VZB/18VZBは、「真空αエンジンⅡ」を搭載
- ※4 当社従来機種RC-10/18VSAとの比較
- ※5 RC-10VGB/18VGBのみ。RC-10VSB/18VSBは銀コート、RC-10VWB/18VWB、RC-10VZB/18VZBはセラミックコート
- ※6 東芝調べ((株)山電製 RE2―33005S試験結果より)
- ※7 東芝調べ((株)サタケ製食味計STA 1A試験結果より)
- ※8 2008年7月7日現在、家庭用IHジャー炊飯器において
- ※9 RC‐10VSBでお米1合を炊いた場合。
- ※10 当社従来機種RC-10VSAとRC-10VGBの比較において。年間消費電力量は、省エネ法・特定機器「ジャー炊飯器」測定法による数値です。
新製品の主な仕様
真空圧力IH保温釜
- ※ 省エネ法・特定機器「ジャー炊飯器」測定法による数値です。
真空IH保温釜
- ※ *省エネ法・特定機器「ジャー炊飯器」測定法による数値です。